サイトへ戻る

物語の中に出てくる薫り

チベットの昔話に出てくる豪華なお食事、ですが・・

どんな風味か想像がつきません。

大昔、私が年齢2桁になったばかりの頃「チベットのもの言う鳥」というチベットのお話を読みました。そこには、「アンバーグリスで薫りをつけたツァンパ(チベットの主食、そばがきのようなもの?)」という記述が出て参りました。当時の無知な私は美味しそう、と思っておりましたが、それから数十年たって、アンバーグリスの薫りというものを本当に知った時、美味しそうかどうか結構な疑問になりました。アンバーグリスは大変霊妙な形容し難い佳い香りなのですが、果たして食べ物についていて美味しいものか、というのは日本人にとっては結構な疑問です。昔のチベットには交易で潤っていた王国がいくつもあったため、高価なアンバーグリスで香りづけした食事も王侯貴族は食していたのでしょう。食べてみたいような怖いような気が今ではしますが、まず値段の面で食べられません。尤も、薄く香りづけしただけなら、マッコウクジラの腫瘍起源のものなので、中毒して倒れたりしない事だけは確実でしょう。